暮らしと街をつなぐ空中の庭
副都心から電車で20分ほどのベッドタウン。
駅前から徒歩で15分ほどの住宅地に建つ5人家族の住まいです。
一階には玄関と水回りと個室群が並び、家族が集う居場所は二階へと持ち上げられています。
二階は北に対して大きく開かれており、住み手は大窓を開け放つことで、空中に浮かぶ庭=「宙庭(そらにわ)」へと連続した暮らしを描き出すことができます。
この「宙庭」からは北に広がる畑風景と街並みを見下ろすことができますが、道路からは内部の生活を伺うことが出来ないよう、腰壁高さが工夫されています。
上下階をつなぐ階段の横に吹抜けを設けることで、住まい全体がひとつながりの空間となることを意識し、家中の何処に居ても家族同士がお互いの気配を感じられる様に計画しました。
一階の個室群が面する「大地の庭」、二階に浮いた「宙庭」、ロフトからアクセスできる「展望の庭」の三つの庭が暮らしを立体的に街へと接続します。
良質な街並みを生み出す法規制の厳しさを逆手に取り、家族のプライバシーを守りつつ、暮らしを街へと開こうと試みたプロジェクトです。