Haretoke Architects

Under a White Roof

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結城の白い屋根

白い皮膜に抱かれた木箱

化粧品容器の開発・設計・製造を手がける企業の本社です。
安定した光・温熱環境と執務空間としての快適性が求められました。

事務管理室を中心に機能空間が同心円状に広がる平面計画で、最外縁部に屋根と壁で囲われたポルティコ(半屋外空間)が設けられており、たっぷりとした軒の出で屋内空間を包み込むように守っています。
同心円状の平面計画に切妻屋根が架かることで、各部屋は天井高さも断面プロポーションも異なっており、建物全体に渡って空間の多様性が引き出される断面構成となっています。

LVL(単板積層材)の梁で最大7.28mのスパンを飛ばす構造計画は、薄さ12ミリのスチールプレートを棟木代わりに用いたことと相まって、ほぼ無柱と変わらぬワンルーム性を建築全体にもたらしています。

設備計画では、快適な温熱環境を低いランニングコストで実現しました。夏季はデシカント空調による除湿で冷房負荷を軽減し、冬季は躯体蓄熱式床暖房で風のない快適な温熱環境を安定的に維持できます。

白い皮膜に抱かれた木箱のような外観は、高気密・高断熱を施された木質仕上げの建物外皮を白く輝く遮熱性の高い金属皮膜で包み込んでおり、安定した環境性能と高い意匠性を両立させました。

遊歩道を挟んだ向かいには7年前に竣工した「結城の大きな屋根」があり、周辺と一線を画す二棟の相乗効果により、地域のランドマークとしての街角を形成しています。

Data
  • 所在地:茨城県結城市
  • 主要用途:事務所
  • 施工:石島建設(海老原博)
  • 構造:木造(在来軸組構法、LVL使用)
  • 規模:地上2階
  • 敷地面積:652.11m²(197.26坪)
  • 建築面積:245.94m²(74.40坪)
  • 延床面積:247.17m²(74.76坪)
  • 竣工:2017.02
  • 撮影:矢野紀行/矢野紀行写真事務所
  • 設計監理:アトリエハレトケ(長崎辰哉・武山大樹)
  • 構造設計:坪井宏嗣構造設計事務所(坪井宏嗣)
  • 設備設計:ビーイー・リンク(庄司哲人)
  • 照明計画:シリウスライティングオフィス(戸恒浩人・野澤潤一郎・岩壁泰良)